8月26日、「情報ライブ ミヤネ屋」(読売テレビ)に生放送出演しました。
今回のテーマは、東京23区の火葬場事情について。
東京23区内には、全部で9か所の火葬場があります。そのうち6か所が「東京博善株式会社」という民間企業が運営するという、全国でも特殊な事情があります。
23区にはほかに民間企業運営の「戸田葬祭場」、公営の瑞江葬儀所、臨海斎場がありますが、公共の交通機関を利用したときの利便性等、立地の良さもあって、圧倒的に利用者が多いのが特徴です。
(ちなみに全国では約96%の火葬場が公営による運営になります)
なぜ東京は民間火葬場が多いのかは、全国の火葬場の多くは明治以降、自治体により整備されていったのに対し、東京区部では、行政に先駆けて既存の火葬場が民間により整備が進められていったという背景があります。
東京23区の火葬事情は、このように民間企業が先導して独自の文化を作ってきたわけですが、ここ数年、東京博善の火葬料値上げが続き、問題になっています。
現在は火葬費用9万円。過去には「燃料サーチャージ」なる従量課金制を導入したこともあり、「公共性」「公益性」に欠けるのでは、という意見もありました。
数年前より葬儀事業をスタートし、「東京博善のお葬式」というブランドで「火葬場一体式場を保有」という利便性を強調したパッケージプランの販売を開始しました。
火葬場のホールや待合室などに、自社ブランドの自社葬儀のパンフレットを陳列しているため、火葬場に案内する葬儀社にしてみたら「営業妨害」と反発を招いている状況が続いています。
親会社の広済堂ホールディングスが、実質中国資本の傘下であるということも影響がないとは言い切れません。葬儀社と火葬場は、長年役割を分担し「共存」してきたものが敵対関係となりました。
東京博善は、葬儀ホールの出店やM&Aで、火葬以外の葬儀事業を積極的に拡大すると宣言しています。
番組内では、このような背景までは語っていませんが、現在の火葬費用が9万円と高額なこと、東京博善が区民葬という火葬費用の値引きをなくしたことなどを中心に、お話しました。
火葬費用の9万円は、たしかに公営と比較すると高額ではありますが、民間企業が運営する以上、やむを得ない事情もわかります。
(例えば船橋市では、市営火葬場の利用について、市民は11,000円、市外の人が利用する場合は110,000円です)
ただ火葬場というのは、選択肢がない中で選ぶ「公共性」「公益性」の高い事業ですから、「東京博善のお葬式」というブランドでの葬儀事業については疑問を呈します。
「サービスの質」についても、現在は多くの公営火葬場が指定管理者制度を取り入れていますので、サービスの質は一段と向上しており、「民間企業ならではのサービスの質」というわけではありません。むしろ「民間企業だから持ち込み禁止」を求められています。
定期的に話題となる東京博善の問題。これからもしばらく続きそうです。
