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コロナ禍で登場したオンライン法要の今後は?

コロナ禍では、働き方を含めてさまざまな業界・業種でリアルからオンラインへの転換が図られました。
葬儀関連業界では、他と比べて動きは少なかった方かもしれません。
オンライン葬儀も話題にこそなりましたが、もともと簡素化、縮小化の傾向がある中で、オンラインで多数に葬儀の様子を知らせることに対して需要がなかったというのもあります。
地方の親戚など、限られた間柄であれば、葬儀社が提供するオンライン葬儀サービスを利用しなくても、自分たちのスマホでつなぐという手法で十分でしょう。

一方、寺院での法要については、オンライン法要は一定の需要が見込まれています。

法要は、春のお彼岸、夏のお盆、秋のお彼岸、さらに故人の年忌法要等を含めると、それなりの回数になります。密を避けるという意味でも、特に若手に住職・副住職がいる寺院を中心に、オンライン法要を取り入れるところが増えています。

「足腰が悪くて法要に参加できない」「老人ホームに入っているので、コロナ禍では外出しにくい」という理由のほか、さまざまな理由で「その都度行くのはちょっとしんどい」というニーズにも合致して、オンライン法要は案外受け入れられやすかったように思います。

中外日報によると、オンライン法要のシステムをパッケージ化して販売する業者があるようです。

各地の寺院でインターネット環境の整備が重要になる中、インセクト・マイクロエージェンシー(東京都千代田区)は、すぐにオンライン法要を始めるための「法要中継セット」を展開している。ビデオカメラやディスプレーなど中継に必要な機材の導入や、寺院のIT化への助言を行う。

デジタル機器の使用に慣れていなくても、専門のスタッフが立ち上げを行うため安心。同社に導入を依頼した浄土真宗本願寺派上正寺(神奈川県茅ケ崎市)では、法要の様子を別室で中継できるようになり=写真、本堂での密集を避けられるようになった。「車いすや高齢のため諦めていた方も法要に参加できるようになった」と好評だ。

同セットはビデオカメラ、パソコン、60型4Kディスプレー、中継ケーブル、ソフトの設定を含めて参考価格50万円からで、建物の規模や用途に合わせて相談できる。

同社は、主に多機能型デジタルサイネージ(電子案内板)を開発し、店舗や観光施設などで展開する。寺院向けに「法話の資料表示システム」も提供しており、寺院のIT化への喫緊のニーズに応えている。
(出典元:中外日報 )

寺院の数は、コンビニよりも歯科よりも多く、社会資源でもあります。寺院のIT化はまだ他業界と比べて遅れていると思いますが、オンライン法要を機にIT化が加速し、今まで考えもつかなかった新しいサービスが登場するかもしれません。

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